世界一無駄な留学

金も時間も無駄にした著者が、人生の敗者復活を目論む

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「ビリギャル」が成功した本当の理由とそれを英語に活かす方法を今更ながら考える

どうも、たかひろです。

 
今回はあの一世を風靡した「ビリギャル」が、なぜ学年ビリから慶應に受かったのか、そしてその理由を英語学習に活かす方法を考察した記事となります(今更ですがw)



え?そんなの語り尽くされてるって?



そうかもしれませんが、彼女の物語にはやはり大切なことが詰まっていると思いますので、改めて考察してみるのも悪くないかと思います。ビジネス、そして英語学習にも役立てることはあると思いますので、しばしお付き合いください!
 

 

「ビリギャル」が成功した理由

 僕が考える”ビリギャルが成功した理由”をもう最初にズバリ言ってしまいます。

 

それは採った戦略が正しかったから。

 


正直、コレに尽きます。

 


本が爆発的に売れ映画化もされたあのストーリーは

 

  • どんなにバカでも諦めない
  • 掛け替えのない人達のサポート
  • 心理学を応用した画期的な勉強法

 

…などを伝える感動のノンフィクションなわけです。

 

確かに、それらの要因も大変素晴らしいものだと思います。一つのノンフィクションものとしてみるととても感動的な要素が詰まっています。

 


しかし、成功要因となると別の話です。

 


バカで諦めなかった人で大学受験が不本意な結果になった人もいるし、掛け替えのない人達のサポートは運次第だし(むしろ元不良にそんなサポートがあるのは珍しいと思う)、心理学を応用した勉強法に至っては、ぶっちゃけ以前にどこかで聞いた事あるやつばっかです。

 

成功要因はそういうところじゃなくて、もっと根本にあると思うわけです。

 

その根本とは


「勉強する科目を、英語と小論文だけに絞った事」


です。

 

ビリギャルが成功した理由の9割9分はそこです。

 

東大だったら受からなかった

 
予想のつく事ですが、たとえビリギャルが

 

  • バカでも諦めず
  • 掛け替えのない人達のサポートがあり
  • 心理学を応用した画期的な勉強法で

 

猛勉強したとしても、受験の科目数が多い東大には恐らく受からなかっただろう、という事です。

 


まぁコレは林修先生が「初耳学」という番組で言っていた事の受け売りです。



まぁでも、林先生が言うまでもなく受験をした事がある人なら誰でも思いつく事です。科目数の多い東大だったら無理だろう、しかし科目数の少ない私立だったらある確率で起こる…そりゃそうだわな、って感じです。

たかが絞る、されど絞る


まぁそりゃ絞ればビリギャルみたいな事は誰だって出来るよな、って思う人も多いと思います。

 


しかし、「たかが絞る、されど絞る」なわけですよ、皆さん。
 


この”絞る”事によって成功した事例は、ビリギャル以外でも様々なものがあります。



例えば、旅行代理店のHIS。

 

HISは今では国内旅行も扱いますが、創業から10年間、商品は国際線の格安航空券だけに一点集中しました。

海外格安航空券はイメージも良くないし儲けも少ない。さらに客層もお金がない学生が中心。商品も客層も、大手にとっては魅力が少ない。だから、そこに一点集中すれば小さな1位が取れると戦略的に判断したわけです。10年で海外格安航空券というのはニッチ分野で日本一になり、その後、事業を海外旅行ツアーに広げました。さらにその後の10年で、海外旅行全体でも日本一となりました。

日系BP社 「小さな会社の稼ぐ技術」P80より引用

 

今をときめくソフトバンク。

 

ソフトバンクは今やグループで売り上げだから9兆円企業になり、今後は「強者の戦略で行く」と決算期発表で表明しています。しかし、1981年の創業から役に10年間は、パソコン向けソフトの卸売業に一点集中しました。

日系BP社 「小さな会社の稼ぐ技術」P58より引用

 …とまぁ、受験ではなくビジネスの世界でも”絞る”事によって成功を収めた事例は多いわけです。
 


ちなみにこの”絞る”戦略を「ランチェスター戦略」というそうです。

 

HISやソフトバンクが成功した理由は、弱小企業の時代にこの「ランチェスター戦略」に基づいてビジネスの範囲を”絞った”から。逆に創業期に大手企業のような”強者の戦略”を実行していたら一瞬でスコンスコンに破綻していたはずです。

 


コレをビリギャルに当てはめて考えると、ビリギャルが採った戦略は圧倒的に正しかったわけです。

 

“絞る”事は大切

 「勝てそうな分野に一点集中」

 

この考え方はあらゆる分野で応用できると思います。

 

大学受験なんかはビリギャルが採った方法を丸パクリすれば良いわけですし、ビジネスではこの方法を採ってからもう「首をくくるしかない…」レベルの経営不振から救われた事例が、先ほどから引用に使っているこちらの本にたくさん書いてあります。



さて、このブログは英語学習を取り扱っているので、英語学習でも同じことを考えてみましょう。

 


英語学習では4技能の能力が問われる時代になってきました。しかしながら、一番攻略が難しいのは”スピーキング”です。世間のイメージ的にも、「英語が出来る=英語が話せる」みたいなところもあるわけです。

 


なのでスピーキングに”絞って”英語を勉強する事も一つの手でしょう。

 


TOEIC高得点で、英語メールの対応などお手の物。喋れば発音が綺麗で淀みない…という理想は、一旦封印しスピーキングのみに徹して勉強するのです。

 


まぁ確かに、スピーキングを身につけるためには語彙や文法を知識がない、発音知識などが必須です。しかしながら、TOEICなどで高得点を取るために必要だけどあまり実用的でない速読力などに時間を使わなくて済みます。

 

スピーキング力を磨く過程で間違いなくリスニング力は磨かれるので、結果TOEICの点数にも反映される事もあるでしょう。

 

この考え方はあくまで一つの手段です。しかし、今まで英語があまり得意とは言えなかった人が改めて英語取り組むとしたら、有効な手段だとは思います。

まとめ

「ビリギャル」が成功した本当の理由とそれを英語に活かす方法を今更ながら考える


  • 「ビリギャル」が成功したただ一つの理由は受験科目を”絞った”から
  • ”絞る”という考え方は、受験だけでなくビジネスの分野でも成功事例がある有効な戦略
  • 英語学習においては、スピーキングだけに絞ってみては?

Alice in Chainsってバンドを知っているか?知らない人の為のおすすめ曲5選を紹介!

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どうも、たかひろです!

 

世間が米津玄師に湧いている中、僕は皆が知らないであろう洋楽を聴いています。中2的な優越感に浸りニヤニヤしております。

 

さて今回は、僕が大好きなバンドを紹介します。

 

その名も、”Alice in Chains”

 

ちょっと暗く退廃的な雰囲気な曲が多いですが、麻薬的な中毒性を持ったバンドです。今回はそんなAlice in Chainsを知らない人の為に、

 

  • 彼らの簡単な紹介
  • とりあえずコレ聴いとけ!的な曲5選

 

を紹介したいと思います!
(さっさと曲が紹介しろよ!って方は、目次から曲に飛べますので僕の御託は飛ばしてください笑)

Alice In Chainsとは一体何者!?

 
まずAlice In Chainsという人たちが一体何者なのか、というところから。

 

  • 1987年にシアトルで結成されたロックバンド
  • ジェリーカントレル(Gt.)、マイク・アイネズ(Ba.)、ジョーン・キニー(Dr.)、ウィリアム・デュヴァール(Vo.)から成る4人組バンド(旧メンバーにレイン・ステイリー(Vo.)とマイク・スター(Ba.)がいる)
  • ジャンルは”グランジ”(Nirvanaとかもここに分類される)
  • グランジが人気を極めた1990年代に人気を誇り、全世界で3500万枚のアルバム売り上げを記録

 

日本であまり知名度が高くないのですが、実はアメリカでは商業的にも成功しているバンドです。

 


残念ながら人気を極めた時代の旧ボーカル、レイン・ステイリーが2002年にドラッグのオーバードースで亡くなり、一時活動を停止。その後、新ボーカルのウィリアム・デュバールを新たに迎え、新体制で現在も活動中です。

 

Alice In Chainsの魅力

 
以下に、何故僕がAlice In Chainsが好きなのかを上げていきたいと思います。

 

レイン・ステイリーの声


なんといっても、旧ボーカル、レイン・ステイリーの中毒性のある歌声。コレはど定番なんですけど、書かずにはいられません。恐らくAlice In Chainsを好きな人の9割が挙げる理由でしょう。てか、Wikipediaにも書いてあるレベルの情報ですw

 

後ほど曲を紹介するので聴いていただければと思います。少しねっとりとまとわりつくような感じ、しかしそれでいて嫌らしくない優しい響きというか。

 

僕もアメリカ留学時代に、とある友人から同じように紹介されて聴き始めました。いや、そんな言うけど別に声の好みなんて人それぞれだろ…とか思いつつ聴きましたが、見事にハマる。。。そんな声です。

 

こればかりは聴いてみないと分からないと思うので、とにかく聴いてみてください!

 

暗く退廃的、しかし優しい


Alice in Chainsの曲の全体的な僕なりの特徴を一言で表せば、

 


「暗く退廃的、しかし優しい」

 

という表現になるでしょう。

 

 なんかもう全体的に、後悔とか、寂しさとか、どうせ死ぬとか...そんな曲が多い。。。そういうテーマの曲じゃなくても、どことなく暗い雰囲気が漂っている。しかし不思議なことに、その優しい響きに「自分の過去の過ちを許してもらっている」ような気にもなったりします。

 

僕は人生ハードモードで絶望しきっている時期にAlice In Chainsに出会ったので、見事にどっぷりハマっていきました笑

 

後ほど曲紹介でもありますが、例えば「Would?」という曲。この曲は自分が間違いを犯してしまったことの懺悔、もしも間違えてなかったら…という後悔の念が、心の奥にずっしり響いて来ます。

 

そんな感じで、ちょっと暗いけど、敢えてどっぷりと浸かりたい時、許してもらいたい時なんかおすすめです。

 

おすすめ曲5選!!


お待たせしました笑


ここでAlice In Chainsはとりあえずコレ聴いとけ!的な曲5選を紹介したいと思います!

 

僕は正直楽器とか弾けないので凄く素人目線での紹介になりますので悪しからず。。。

 

Bleed the Freak

www.youtube.com


さてまずは、スタイリッシュでカッコ良い曲から。

 

なんかレイン・ステイリーが全盛期でノリに乗ってる時代だけあって、声も顔もカッコ良いです!

 

曲の全体的な解釈としては

 

“俺たちをかつてバカにした奴らが、今度は血を流す番だ。俺たちはそれを見ててやる”

 

的な感じで、なかなか良い”リベンジソング”となっています。普段の鬱憤を晴らすのには良い曲でしょう。

 

No excuses

www.youtube.com


Alice in Chainsの曲の中でも、とても優しい響きを持つこの曲。暖かくて、とても癒されます。

 

局の解釈を調べてみたところ、色々な意見があるようです。ジェリーカントレルがレインステイリーにドラッグ辞めろ!的なメッセージだとも考えられています笑


僕としては


「お前が何をしてしまっても、俺は君を助けるよ」


的な解釈が好きです。

 

暗い曲が多い中でたまにこんな優しいメッセージが来るというギャップ。もうたまらんわw

Man in the Box

www.youtube.com

コレはAlice in Chainsの曲の中でも定番中の定番。誰もが「Alice in Chainsの曲といえば?」という質問で挙げる曲だと思われます。Alice in Chainsの中で最も有名な曲なので聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

キャッチーなメロディだけど、ちょい不気味なPV。歌詞の表現は結構曖昧なのですが、”Censorship(検閲、表現の規制)”を捕らわれた動物に例えて表現しているのだろうと言われています。

 


Alice in Chainsを語るにあたって絶対に外せない彼らの代表曲です。ゆるくエモいグランジ感を味わってみてください。

 

Them bones

www.youtube.com

短い。そして暗い。ゆえに、Alice in Chainsっぽさが凝縮された曲です。

 

曲の全体的なテーマは

 


「人はどうせ独りで死ぬ」

 


的な感じです。悟った感じを出したい時にピッタリな曲ですね笑

 


短いのでサクッと聴けて、そのカッコよさに中毒になってしまう曲です。初めての人はこの曲から聴くことをお勧めします。

 

Would?

www.youtube.com

最後に、Alice in Chainsの代表曲であり、また僕が一番好きな曲を紹介します。

 

テーマは”Addiction(中毒)”。ヘロインのオーバードースで亡くなった友人へ宛てた曲との事です。

 


もうね、切なげな声に”懺悔”とか”後悔”の念がたくさん詰まってるんですよね。もしやってなかったらとか…とか、何故こんな事をしてしまったのだろう…とか。

 

女々しい曲だと人は言うかもしれません。後悔なんかしても仕方ない、前を向けと、言うのは簡単な事です。しかし、そんなことを言わないでほしい。人は自分で思っているほど簡単に後悔の念と決別はできない。いつまで経っても、あの時こうしていたら...と考えてしまう。そんな彼らの人間っぽさが、優しいメロディの中から伝わってくる曲です。

 


確かに重いですが、人生ハードモードな時に、あえてネガティブな感情と向き合いたい、どっぷり浸かってみたい人にはおすすめです。

まとめ

Alice in Chainsというバンドの魅力とおすすめの曲を紹介しました。


知っている人からすると「え!?Roosterは!?Down in a Holeは!?Angry Chiarは!!!?」という反応もあるかもしれません。今回の記事は、完全に僕の独断と偏見で選んでおりますので悪しからず笑


米津玄師も確かに良いけれど、こういうあまり誰も知らないであろう洋楽を日本で聴いて優越感にニヤニヤしてみましょう笑



 

英語を勉強する前に”お金を払ってでも”知っておきたい豆知識5選!心理法則、統計、事例など!

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どうも、たかひろです。

 
今回は、英語を本格的に勉強し始める前に”お金を払ってでも”知っておいて損はしない豆知識(心理法則や、統計、事例など)を5つほどご紹介します!

 

恥ずかしながらソースを見失ってしまった物もあるのですが、自分なりに英語を本格的に学び始める前に是が非でもしておいてほしいものばかりです。参考にしていただいて、無駄な時間を過ごさないようにしましょう!


聴き流し英語への強力な反証

まずは一世を風靡した、”聴き流し英語”に関してです。


「英語圏で育つ人は幼い頃から英語をシャワーのように浴びている。だから英語をシャワーのように大量に聞き流せば、英語はそのうち口をついて出てくるようになる」


という、なんかもっともらしい理屈で、しかもラクな勉強法(笑)に皆が希望を持ちましたね。とある会社が”聞き流し”をコンセプトに教材を作り、飛ぶように売れていました。

 

しかしながら、この”聴き流し”には、とても強力な反証があります。



それがこちら。

親が聴覚障害で言葉が話せなかったため、テレビを見て育った子供がいたのですが、ケースワーカーに発見されたときの言語能力は、テレビを理解する能力はあっても、話させると文法的にはかなり不自然だったといいます。

2004年 岩波書店 白井恭弘 「外国語学習に成功する人、しない人~第二言語習得論への招待~」68Pより引用

 
この事例の子は恐らく、家庭でアウトプットをする必要性がとても低かったと思われます。本当に”聴き流し”だけで過ごした結果、発話能力が育まれなかった、という事だと考えられます。
 


「“聴き流し”の手法で取り組んでいたけど、英語が出来るようにならなかった!」という人も、「これは子どもにしか効果が無いんだ!」という主張も出来たかもしれません。しかしながら、子どもでも”聴き流し”だけではダメだという例が確認されてしまったわけです。

 

この反証はとても強力です。数学の世界では、反証が一つ見つかった時点でその理論は普遍的ではなくなります。

 

この反証から分かる通り、アウトプットを前提としない”聴き流し”は、やはりおすすめしません。聴き流しを未だ心のどこかで信じている人もいるかとは思いますが、ここは心を切り替えて地道にアウトプットの練習をしましょう。


ちなみに、多くの英語ブロガーが取り組むこの話題、僕も以前記事にしていますので、よかったらどうぞ!
www.longhardroadout.com

 

英語の教授法で効果がありそうなものはすでに見つかっている


最近は、たくさんの英語の教授法がありますね。

 
“聴き流し”を始め、”一日◯分で話せる!”とか、”英語で日記をつけよう!”、とか。一体どれが本当に効果があるのだろう…と思い悩む人もいるかと思います。

 

実は、効果がある程度研究的に立証されている教授法はすでに存在しています。



「聴解優先教授法」 

akapy2772.seesaa.net


「イマージョン教育」

gotcha.alc.co.jp


 ・カーネギーメロン大学の甲田慶子が開発したプログラム

globalbiz.hatenablog.com

 

・・・などが、先人たちによって開発された勉強法です。



上記の勉強法・教授法は、具体的なエビデンス付きで”効果が高い”ということが示されているものになります。そこらの英語屋さんが作った、効果測定がうまくなされているか分からない、奇をてらっただけの勉強法ではないということです。
 


つまり、英語(第二言語)が話せるようになるやり方は、また誰かが聴き流し”とか”1日〇分で話せる!”みたいな勉強法を待つ必要もなく、もうある程度は分かっているんですね。



というわけで、あとはあなたがどれだけリソースを割けるか、という問題になります。つまり、やるだけです、笑。


・・・さて、ここまで2つの豆知識を紹介しましたが、これはとある書籍から得た知識です。参考文献として載せておきますので、興味のある方はぜひ一読してみてください。


メジャーな本ではありませんが「英語学習に関してはこの本しか読まなくてよい」と思っているくらいの良書です。この本を読まずに100時間英語を勉強しても、この本を読んでから1時間勉強した人に勝てない、とすら思っています(笑)。価格的にもお手頃でおすすめです。

 

英語が上手な人の特徴

※この説は、ソースを見失ってしまいました。申し訳ありません。とある論文に書いてあったかと思います。

 

英語を上手に話すことができる人を、一瞬で見分ける事が出来るでしょうか。
 

TOEICの点数のようなわかりやすい数値がない限り、人の英語力を測ることは難しいでしょう。



しかし、英語力が高い人は、英語を話すときにある特徴があるそうです。

 

英語を上手に話せる人は、”代動詞”をよく使う傾向にあるそうです。
 


代動詞とは、例えばこんな感じに使われるものです。
 

Do you have a pen?


→Yes, I do.


この例のdoが代動詞です。そうです、中学一年生の時に、よくやらされたアレです笑


時は馬鹿馬鹿しい書き取りだくらいにしか思っていなかったかもしれませんが、実は英語が話せる人ほどこの代動詞を活用している傾向にあります(そういうデータを見たことあるのですが、ソースが示せなくて申し訳ないです…)。

 


これは、僕が今まで様々な英語話者を見聞きした経験からも、間違いないと思います。

 


スピーキングを練習し始めたばかりの人は、例えば

 

Do you have a pen?


→yes, I have! 

 


というように、直前の発話で出た動詞に引きずられてしまう傾向があるかと思います。

 


代動詞を使って「I do」と答えられる人ほど、英語を実際に話す人の感覚が身についているかと思います。

 

というわけで、会話の場面で自然と代動詞が出てくるようになるまで、精進してみましょう!



独学の時間が長いほど上達する

 
英語とは直接的に関連はないのですが、”物事の上達”全体にまつわる話を一つご紹介します。

 

バイオリン専攻の学生を三つのグループに分けた。第一のグループは、将来世界的なソリストになれるほどの実力を持つ学生たち。第二のグループは、「すぐれている」という評価にとどまる学生たち。第三のグループは、演奏者にはなれず、バイオリン教師を目指す学生たち。そして、全員に時間の使い方について同じ質問をした。

その結果、グループごとに驚くべき違いがあることが判明した。三つのグループが音楽関連の活動にかける時間は同じで、週に50時間以上だった。課題の練習にかける時間もほぼ同じだった。だが、上位の二つのグループは、音楽関連の時間の大半を個人練習にあてていた。具体的には、一週間に23.4時間、一日当たり3.5時間。それに対して、第三のグループが個人練習にあてる時間は一週間に9.3時間、一日あたり1.3時間だけだった。第一のグループの学生たちは、個人練習をもっとも重要な活動と評価していた。

2013年 講談社 スーザン・ケイン/古草秀子 訳 「内向型人間の時代」102Pより引用

 

この調査のポイントは、


「活動に費やす時間が同じでも、一人での練習時間を多く取っている人ほど、評価が高い」


という部分でしょう。


さて、これは恐らく、物事の上達全般に言えることでしょう。上達したければ、一人の時間を作り、一度の練習当たりの密度を圧倒的に高めることが重要というわけです。


そしてこのことは、英語の上達においても例外ではないと思います。詳しくは、以前に僕が書いた記事を参照してみてください。

www.longhardroadout.com

それ以上時間をかける価値はある?収穫逓減の法則

 最後に、”収穫逓減の法則”(しゅうかくていげん)というものをご紹介したいと思います。

 

経済学の用語で、カンタンに言えば


・成果は勉強時間に比例しない
・勉強時間を増やすほど、1時間あたりの成果は以前よりも下がる


という事です。

収穫逓減の法則とは、生産要素を追加でどんどん投入していくときに、投入一単位当たりの収穫がだんだん減っていくことを言います。

例えば、畑で麦を作っている人がいるとします。その人が収穫をもっと増やしたいとして、畑の面積をどんどん増やしていくことを考えてみます。

最初に作る畑は日当たりがよく土壌も肥沃な土地に作ると思います。そのため、最初に作る畑からの収穫は、畑の面積を1単位増やせば収穫も1単位増えると考えることができます。

しかし、どんどん畑を増やしていく中で、このような恵まれた土地は少なくなってしまいます。すると、日当たりが悪いであったり、土壌が痩せているであったりの難がある土地に畑を作っていくことになります。

その場合、畑の面積を1単位増やしても収穫は0.5単位しか増えないかもしれません。

このように、追加の生産要素を増やせば増やすほど得られる収穫量がだんだん減っていく傾向を収穫逓減の法則と言います。

http://keieimanga.net/archives/6898700.html

keieimanga.net



経済学の法則ですが、世の中のたくさんのことに当てはまります。


例えば、TOEIC300点くらいの人が「英語力を上げたい」→「とりあえずTOEICからやるか、」と、TOEICの勉強を始めます。


始めのうちは勉強した事の成果が出やすく、2ヶ月で700点(仮の話ね)、約400点くらい点数をアップさせる事が出来ました。


「なんだ俺、やればできるじゃん♪あと2ヶ月かけたらTOEIC史上初の1100点取れるじゃん♪」←w


とか思っても、そうは問屋が卸さない訳です。


勉強に関しては何でもそうですが、最初のうちは頻出の物だけ抑えるので、成果は出やすい。しかし上達してくると、頻出の物は抑えきってしまい、出題確率が低いものに取り組まざるを得ない。更に、段々と分からないことを探すのか難しくなってくる…


このような現象が起き、後2ヶ月かけても、100点上げるのがやっと、という事態になるわけです。

TOEICに充分取り組んでからスピーキングをやりたい人へ


TOEICを充分上げてからスピーキングの練習に取り組みたい人もいるかと思います。


もしそう考えているのであれば、TOEICで800点くらい取れたら、スピーキングの訓練に移行して良いかと思います。900点とるまで頑張ってから、というのは時間の無駄です。


収穫逓減の法則のとおり、TOEICで800点の人が900点に上げる事は、今までのようにはいきません。むしろ、今まで800点取るくらいの労力と同程度の労力をかけて、やっと900点に行ける、くらいの感じでしょう。


最終的な目標がスピーキングの上達であるなら、それ以上TOEICに時間をかけても


TOEICの点数
スピーキング力の向上


二つの観点でリターンが労力に見合わないと考えます。


むしろスピーキングの勉強に移行してしまえば、最初のうちは結果が出やすかったりします。これも、収穫逓減の法則が示す通りですね。


結果が出れば楽しくなる。よって、向上心が湧きより勉強に邁進する。そうして継続した結果、TOEICの点数が更に上がっている、という好循環が見込まれます。



TOEICなんかはそこまで根を詰めてやら無くて良いわけです。

まとめ

「英語を勉強する前に”お金を払ってでも”知っておきたい豆知識5選!心理法則、統計、事例など!」

  • ”聴き流し”には強力な反証があるので、やはりやめたほうが良い
  • 効果の高い英語教授法・勉強法は、すでに分かっている→もう本屋で探しに行かなくてもよい笑
  • 英語が話せる人は”代動詞”を使う
  • 同じ練習時間でも、独学の時間が長いほうが、上達度は高い
  • ”収穫逓減の法則”を意識する


英語好きではない社会人が英語を勉強するときに意識したいことー絞れ!!ー

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社会人になってから英語をやり直したい、という人は多いだろう。僕は幸いにも、学生時代に「英語をしっかり勉強する」という選択をしたが、それは割と良かったと思う。なぜなら、やるべき事が膨大だったが、時間があったので対応できたからだ。

 

時間がある学生のうちなら、TOEICもやり、会話もやり、ライティングもやり…と、その膨大な量に真正面から取り組む事が出来る。



しかし、社会人はそうはいかない。ましてや、英語好きでもないならなおさらだ。時間がない。本当に、圧倒的に、時間が足りない。

 

この記事では、もし僕が英語好きではなく、かつ社会人になってから英語を勉強するとしたらこうする、という視点で限られたリソースを有効に英語学習に使うにはどうしたら良いかを書いていく。

 


ランチェスター戦略を知ろう


まず知っておいて頂きたいものが”ランチェスター戦略”というものだ。マーケティング理論として有名なので、知っている人も多いだろう。


もともとは、フレデリック・ランチェスターというイギリス人のエンジニアが考案した軍事法則である。ランチェスター以前は、戦争を科学的にとらえた発想はなかったらしく、初めて戦争に定量的な視点を持ち込んだ、画期的な戦略として受け入れられた。やがてそれはビジネスやマーケティングの世界でも画期的な”競合対策”として応用され始め、今では広く世の中に浸透している。

 

特に、”弱者の戦略”として、人材も資金も少ない中小・零細企業の経営に応用される事が多い。こちらの本には、ランチェスター戦略を経営に採り入れ、ジリ貧から逆転を果たした中小・零細企業の事例がたくさん載っているので、実践でランチェスター戦略がいかに活かされるのかがわかると思う。


 

ランチェスター戦略は、英語の勉強に活かせる

そしてこのランチェスター戦略の考え方が、社会人になってからの英語勉強にも大いに役に立つと考える。

 

”時間”というリソースが潤沢にある学生時代は、規模、資金、人材と、全てにおいて潤沢なリソースがある大企業のようだ。資金があれば、留学だって行ける。TOEICの勉強をしながら、海外ドラマも英語字幕で挑戦して、寝る前に英語日記なんか書いちゃったりする。それが、学生の英語勉強法だ。

 

しかしながら、社会人はそうはいかない。時間は限られているし、人によっては資金も限られているだろう。仕事でありとあらゆるエネルギーを持っていかれているのに、娯楽を我慢し、TOEICのような退屈な勉強をしなければならない。そんな社会人が、学生と同じテキストで、学生と同じ勉強をするのでは、勉強が遅々として進まない。結果、思うような成果が出ずに挫折する。


 

ランチェスター戦略は、英語の勉強にどう活かせる?

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では、リソースが限られている英語好きでもない社会人はどうすればよいのか。



勉強する分野・範囲を、徹底的に絞れば良いのだ。



中小・零細企業は、大企業と違いリソースが不足している。そんな状態で大企業のように、あんな事業にもこんな事業にも手を出し、あらゆる客層を対象に広範囲なビジネスをするなどして、破綻する例が後を絶たない。



なので、中小・零細企業の経営では、「分野・客層・営業エリア」を徹底的に”絞り”、局所的にリソースを集中投下して勝つ、という戦略が推奨される。これが、ランチェスター戦略を中小・零細企業の経営に活かす方法とのことだ。
 


というわけで、TOEIC高得点で、英語メールの対応などお手の物。喋れば発音が綺麗で淀みない…という理想は、一旦封印しよう。

 


自分のなりたい姿になるために達成すべき事を徹底的に絞り、それのみに集中する事である。

 

何に絞れば良いのか?


何に”絞る”のかは、自分の好みで良い。まずはTOEICが出来るようになりたいのであれば、TOEICに絞れば良い。話せるようになりたいのであれば、TOEICなどには目もくれず話せるようになるための事を徹底的にすれば良い。



ただ、僕からの一つの提案としては、まずは英語が話せるようになるためのトレーニングのみに徹して、徹底的にやるのが良いとは思う。

 

英語が出来る状態、と言われて、まずはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。 



極論かもしれないが、多くの人にとっては

 

”英語が出来る=英語が話せる”

 

という図式が成り立っていないだろうか。

 

最近では、TOEICができても話せるようにならない、と思う人が増えてきた。TOEICという試験の性質を考えたらそれは当然な事だ。だから、英語が出来る状態と言われて、TOEIC高得点が取れる、と思い浮かべる人も、割と少ないと思う。

 


英語ができる状態を思い浮かべろ、と言われたら、アメリカ人相手にペラペラ話している姿をイメージするのではないだろうか。

 


なので、日本人の多くにとっては、TOEICなんてものはほっておいて、真っ先に話すトレーニングに集中したほうがよい。

 

英語は話せるので仕事でも何とかなるけど、TOEICがダメで…というのは、大して問題ではないと思う。話す能力が高ければ、TOEICの得点は自ずと高くなると予想されるからだ。しかし、TOEICが出来るけど話すのはダメで…パターンは、ちょっと問題だ。結果使えないし、TOEICの点数を上げることに比べて、話す能力をつけるのは圧倒的に時間がかかるからだ。また、プライドばかり高くなって、スピーキングで失敗する姿をさらすのが恥ずかしくなってしまう....なんて状態にもなりかねない。

 

勉強する対象を絞ることさえすれば、効率的に英語の勉強はできる。しかし、絞る対象を間違えてはいけない。自分の将来のビジョンと照らし合わせて、どうするのか良いのかよく考えたほうが良いと思う。



対象を決めたら、一点集中

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例えば、スピーキングの練習のみに絞るとする。

 
一度絞ったら、他のTOEICやら英語日記やらは一切辞めて、スピーキングが出来るようになるための訓練のみを集中してやる。ここがポイントである。

 

本質目標だけに集中し、他は一切辞める。コレが本当に大事だ。

 

「小さな会社の稼ぐ技術」という本では、鳴かず飛ばずだったら地方の中小・零細企業が、事業の分野や客層、営業エリアを徹底的に絞る事により再起を果たす、という事例がたくさん紹介されている。

 


後は例えば、一世風靡した”ビリギャル”も、受験勉強の科目をほぼ英語だけに絞り逆転勝ちした例だろう。
 

 


しかし、多くの人にとって、絞る事はとても難しい。

 
中小企業の例では、絞るべきなのに、「絞った結果、本来あっちの事業でも出たはずの利益を失うのが怖い」という理由で、絞ることができない人がとても多いという。結果、絞れずに、どの事業も鳴かず飛ばずで失敗する。



ビリギャルの例は、絞って成功した分かりやすい例だろう。学年ビリの状態で、ありとあらゆる科目をやらなければいけない東大受験などだったら、受験をする前に破綻していただろう。”落ちこぼれは、やっぱり落ちこぼれだったね”で終わってしまっていたはずだ。しかし、多くの受験生は、「この科目もやっておけば、あの学校にも対応できるかもしれない」と、絞ることができない。

 

多くの人は絞れない。絞ることは怖いからだ。なんなら、色んな事に手を出すことを、”リスクヘッジ”と良いように捉えてしまう。そして、破綻する。



しかし、英語好きでもない社会人が英語を勉強するにあたり、絞らないメリットは何もないだろう。絞らない勉強は、どうせ今まで通りだ。だったら、絞って賭けに出てみるのもよいと思う。


まとめ

「英語好きではない社会人が英語を勉強するときに意識したいことー絞れ!!ー」

  • 社会人はリソースが限られているので、有効活用して英語を勉強したい
  • 「ランチェスター戦略」の視点(絞った範囲にリソースを集中投下する)は、英語の勉強にも大いに役に立つ
  • 絞る対象は”スピーキング”がおすすめ
  • 絞るのは怖いが、絞らないと確実に失敗する



人生がいつまで経っても変わらない…と感じている人は、向き合うべき事に向き合っていない、という話

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どうも、絶望系英語ブロガーのたかひろ(@LongHardHell)です。


今回は、自分への戒めという意味でも、思い入れのある記事になりそうです。


題して、


「人生がいつまで経っても変わらない…と感じている人は、向き合うべき事に向き合っていない、という話」


です。


「今度こそは人生変えたい」


今まで、人生で何回願ってきたでしょうか。


そして、願い虚しく元の生活にいつのまにか戻っている事に気付き、思うのです。「また、ダメだったか…」と。


誰かに会った、素晴らしい本に出会った、素晴らしい言葉に出会った…そのような事で人生が変わったという、劇的な体験をした事がある人もいるでしょうが、僕はわりと少数派だと思ってます。


結局のところ、本を読んでとか、人に会ったからという事で一時的にやる気が出た事によって人生が変わるなんて事は、あまりないのではないでしょうか。


しかし、人生このままで良いわけはないので、もっと人生を変える、という事について、突っ込んで考えてみました。参考になったら幸いです。


名言とか本とか読んだだけでは変わらない

“人生を変える”というテーマに関して、大前研一さんの有名な言葉があります。

人間が変わる方法は3つしかない。1つ目は時間配分を変えること。2つ目は住む場所を変えること。3つ目は付き合う人を変えること。どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的。

大前研一

僕は、20代前半の時に初めてこの言葉に触れました。当時はこの言葉に感心し、人生変えよう!と何回も意気込んでいましたね。


しかし、ある程度歳を重ねてから思うのは、こんな言葉に触れたくらいで人生変えられるなら、みんな変わってるという事です。


大前研一さんの言う事を実践したら、まぁ確かに人生変わるでしょう。付き合う人を変えて環境変えて…って事ですから、当然変化は出ます。しかし、それが安易に出来ないし、実行できる行動力が備わっていないから皆困っているわけで笑


僕のような生まれながらにニート気質がある天邪鬼には、こんな言葉くらいで行動ができるようなプログラムは組まれていないわけです。一時的にやる気は出るかもしれませんが、いつのまにか元の習慣に戻っていて、人生が変えられない自分に嫌気が差す→更に自分を変えられないという思いを強くする…という悪循環になるわけです。


というわけで、人生を変えるには、もっと根本的ななにかが必要なのではないか?と思うのです。

キーストーンハビットとは?

さてここで、参考になりそうな考え方があります。

“キーストーンハビット”というものです。

…つまり、目標達成のために、「たばこをやめよう」と考えたことだった。それがきっかけとなって、いくつもの変化が引き起こされ、やがて彼女の生活のあらゆる面に広がっていった。

(中略)

旅行から帰って6ヶ月、彼女はたばこをやめてジョギングを始めた。すると、食生活や働き方、睡眠、貯金のしかたも変わり、仕事のスケジュールをきちんと決め、将来の計画を立てるようになった。走る距離も伸び、ハーフマラソンからフルマラソンを走るようになった。大学に戻り、家を買い、婚約もした。やがて、研究者の目に止まってスカウトされた。

研究者がリサの脳の画像分析を始めたところ、驚くべき発見があった。ある神経パターン(以前の習慣)よりも、新しいパターンが優先されていたのだ。

(中略)

その変化を起こしたのは、カイロへの旅行や離婚や砂漠横断ではなく、リサが「喫煙」という一つの習慣を変えることに専念したためだと、研究者たちは考えている。(中略)一つの習慣に狙いを定めることで、他の行動もプログラムしなおすことに成功したのだ。

このような習慣を、キーストーン・ハビット(要となる習慣)という。

講談社 「習慣の力」チャールズ・デュヒッグ著/渡会圭子 訳 p5〜6より引用

キーストーン・ハビットとはつまり、その1つの習慣を良い方向に転じさせることにより、その他の悪習も良い方向へ転じさせる事が出来るもの、というものです。


んな上手い話が…と思っているかもしれませんが、最近の"習慣を変える系"の書籍には、良く書かれている考え方で"であり、科学的、統計的な根拠も示されています。ちなみに、科学的・統計的な根拠は、以下の2つの書籍を参考にしています。習慣を変えたい人は参考になると思いますので良かったらどうぞ。


そして、そのキーストーンハビットは人によって違う可能性があります。


引用させてもらった書籍が示している例では、とある女性が"たばこをやめた"ことにより、運動を始め、仕事も見つかり、再婚も果たす…という、シンデレラストーリーのようなものがあります。


しかしながら、誰もが運動の習慣を身につければそのような展開を迎える訳ではないでしょう。


例えば僕は、趣味で筋トレを本格的にやっていた時期がありました。確かに、見た目が変わり自信がついた感覚はありましたが、「筋トレのおかげで人生変わった!!」とは、胸を張っては言いきれないというのが正直なところです。


つまり、人によって、キーストーンハビットは違うのです。

”そこじゃねえよ!!”


キーストーン・ハビットの事も然りですがいつまで経っても人生が変わらない人は、ずーっと”そこじゃねえよ!!”って事をやっていないでしょうか。


人生変えたいなら、腹筋100回を1ヶ月続けろ!みたいな安直な事を言う人がいますが、腹筋100回を1ヶ月続けたら、借金を返す能力が身につくのでしょうか。


まぁ、運動の習慣と意志力の相関はあるようなので、間接的に繋がらないわけではないでしょう。しかし、直結はしませんよね。借金の問題であれば、浪費癖とかそういう部分を見直すところからではないでしょうか。

筋トレも英語も、僕の人生を変えなかった


僕の感覚としては、


「筋トレも英語も、僕の人生をそこまでは変えなかった」


というものがあります。


確かに、良い習慣の波及効果というものは、科学的にも認められています。なので、運動やら早起きやら家計簿やらの、1つの良い習慣が身につけば人生が変わる効果は人によってはあるでしょう。


しかしながら、筋トレしても英語が話せるようになっても、人生そんなに変わってない(僕みたいな)人がいるわけなんですよ、現実には。



向き合うべきことに向き合っていますか?

では、何が問題かというと、


「向き合うべきことに向き合っているか」


という事に尽きると思います。


キーストーンハビットは、人によって違います。人によっては運動だったり、早起きだったり、家計簿だったりするわけです。


何が自分のキーストーンハビットがを見極めるのに、以下の要素が必要ではないかと考えます。


自分の昔からの課題
自分の望むものに繋がる事


どういう事か。以下の例から説明します。

今いる環境が嫌になって、環境を変えたけれども、自分自身が体験することは結局それほど変わらなかったといったようなことを経験したことがある方はおられるでしょうか?
環境が変わったことから、自分自身がより良い影響を受けて、自分自身も何か変化するような部分があると、人生から受け取る流れも変わるのですが、そういったことがないと、環境だけ変わって、自分が人生から受け取る流れは大して変わらないといったことが起きます。


思考を変えると、人生の流れが変わります。とはいっても、表面的な思考を1つ変えても、大きな流れにはあんまり影響は出ないです。その代わり、いろんな思考のルーツになっているような根っこの部分を変えると、それが他の思考に連鎖的に影響を与えるので、自分自身を大きく成長させるきっかけを作ることができます。

特に、自分の絶望に関係しているものが心の底にある場合、それをより良く変化させることができると、自分が人生から受け取る流れは大きく変化します。ただ、心の底に根付いているものを変化させることは、心理的に強い抵抗を感じやすいものです。カウンセリングの場でも、「それだけはイヤ!」、という部分こそが、絶望しているときに最も変化を求められている部分、ということがあります。

この抵抗感は、自分の中の変わることを求められている部分はどこなのか、というのを自己分析するときのヒントになります。自分が今まで嫌で避けてきたことの中に、自分自身の思考を変えることが求められている部分があり、それが今の人生の流れを変えていくときのカギになってきます。

もし、今絶望している以上に嫌なことがあるとしたら、何でしょうか?
そんなこと考えたくないし、そんな部分は見たくもない、という感覚がもしあるなら、それはとても重要なサインです。抵抗感があるということは、自分は、今何をしたらいいのか本当は知っている、ということを意味しているからです。

出展: http://shinrinsen.hatenablog.com/entry/2016/11/29/113352


というわけで僕は、結局、本当に人生を変えるには、ずっと蓋をしていた課題から目をそらさずに向き合う事から始まるのだと考えます。


それをせずに、表面的な運動の習慣だったり、早起きの習慣だったりを付け足しても、神様に「そこじゃねぇよ!」と言われ、結局元の生活に戻ってしまった、人生変えられなかった…で終わり、だと思ってます。

英語が話せるようになりたいなら

僕は、元英語オタクです。英語が話せます。なので、たまに相談を受けます。例えば、


「独学でやっていたが、なかなか結果が出ない。どうしたら英語が話せるようになるか。」


のような相談です。色々な相談を受けますが、内容は大体同じです。


僕が気づいたのは、大体の悩みが、


「英会話学校行けよ…」


での一言で片付くことです笑

「え?だって今まで独学でやっていて、話せるようにならなかったんでしょ?TOEIC◯点取れなかったんでしょ?じゃあ、教えてくれるところ行けば良いじゃん?」


これで、終わってしまうのです。(もちろん、話は親身になって聞きますよ!)


僕が直接なにかの具体的なアドバイスをする以前に、英会話学校行けよ?行ってダメだったらまた相談して?の一言で済む内容が多いわけです。


もちろん、相談主としては、色々言いたいことはあるでしょう。


「英会話学校は効果ないって言うし…」


のような事を言いますが、独学よりは効果はあると思います。


今まで、独りでやってダメだったんですよね??書店でまた画期的な方法っぽい事を唱えている人がいても、独りでやる限り同じです。また自分を変えられなかった…と思い、ますます不可能感、コントロール感を失い終わる可能性もあるでしょう。


英会話学校に行って、習慣を根本から変えてしまいましょう。お金が無いなら貯めましょう。時間がないなら時間を作るところからです(ていうか時間がないなら尚更独学なんて無理だと思います…)。


この場合、


英会話を独学でやったけどダメだった…
→また新たな方法を独学で試す


ってなると
”そこじゃねえよ!!”
となるわけです。

まとめ

「人生がいつまで経っても変わらない…と感じている人は、向き合うべき事に向き合っていない、という話」

  • 名言とか本を読んだくらいじゃ変わらない
  • キーストーンハビットを探す(そこじゃねぇよ!!を辞める)

  • キーストーンハビットは、大抵は今まで向き合ってこなかった事


英語は独学じゃなくてもいい!なぜみんな、独学にこだわるの?

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どうも、絶望系英語ブロガーのたかひろ(@LongHardHell)です!


今日は、兼ねてから、僕が不思議に思っていた事について書きたいと思います。


題して、

「英語は独学じゃなくてもいい!なぜみんな、独学にこだわるの?」

です。


英語に限らず、最近は何故かいろんな分野で独学礼賛が目立ちます。”超難関試験に独学で合格!”みたいな本は書店に行くと目立ちますし、ネット上でも、「俺は独学でやったぜ!」みたいな情報が溢れています。なんとなく、それが偉い、みたいな風潮がありますよね。


さて、この独学というテーマに関して、


幾度となく人生に絶望し、生まれながらニート気質を備えた僕という堕落した人間

という観点から思う事をお伝えしたいと思います。


何かを達成したい時、あなたはどうする?

何か目指すものがある時は、それを達成すべくなんらかの行動を起こすと思います。


「◯年✖️月△日までに、TOEIC900点超える!」

「◯年✖️月△日までに、ベンチプレス何キロ超える!」

などのように、具体的な期日や数字も設けている人も多いかと思います。


さて、こういった目標を持っている時、一番大切なのは


「手段はどうであれ、目標を達成する事」


だと思います。


特定の手段にこだわって目的が達成出来ないより、手段はどうあれ目標が達成出来る方を選ぶ人は多いのではないでしょうか。


このような観点で“独学”を考えてみると、


“独学”というのは、もしかしたら褒められる手段なのかもしれないが、合わない人には合わないので、目標達成出来ない可能性もある


のではないでしょうか。

みんな何故”独学”を選ぶのか

ここで、何故みんな”独学”を選ぶのかについて、僕が考えた事を以下に挙げてみます。

お金がかからない

恐らくこれが一番の理由でしょう。絶対これが一番の理由だと思います笑 


”独学”は、英会話学校などに行くのと比べて、圧倒的にお金がかかりません。


最近だと、皆何をするにしても”お金がかからない方法”を探します。


お金もかからず、自分の普段のライフスタイルを少しいじればできる、ある意味お手軽な方法なのが”独学”だと、みんな思っているのです。


お手軽にできる代わりに、お手軽に辞められる、というわけですね。

独学が最良の方法だと思っている

最近は、ネットでも書店でも、


「〇〇を独学でマスターした誰々が教える!…」


というタイトルが目立ちます。


最近は本当にこんなタイトルばっかなので、まるで、勉強の最良の方法は独学であると錯覚してしまいます。


しかし、”独学”って合う合わないがあると思うのですよ。


独学があっている人、または出来る人って、

  • 「これをしたら結果が出る!」という確証がなくても続けられる人
  • ”独学”の対象物が圧倒的に好きな人
  • ある一定のレベルに達していて、自分で自分のレベルが分かり、目指す対象に向けて何をすれば良いのか割り出せる人

…などに人に限られてくるかなと。


独学ってのは孤独で、自分で何をやるか決めて進めていくことが多いと思います。ある程度いろいろな書籍を読んで方針を決めていくかと思いますが、最終的に決めるのは自分です。そして結果が出ない時の方針を決めるのも、自分なのです。


つまり、”独学”の対象物が圧倒的に好きな人、あるいは、ある一定のレベルに達している人達であれば、上達の対象の全体像がある程度見えているので、何をすれば良いのか割り出せるので続けられるのです。



独学の効果の反証もある

僕は筋トレを趣味で本格的にやっていた事がありますが、一人でトレーニングをするよりも、複数人でやるほうが効果が高い、というデータがあるそうです。(申し訳ありません、特定のソースは示せませんが、ググればすぐ見つかるくらい有名な調査です。)



優秀なプレーヤーには、優秀なコーチがいるわけです。


新進気鋭の企業の経営者も、コンサルティングを受けて経営の方針を決めていくわけです。


なので、パフォーマンスを本当に本格的に高めたい、ガチ勢になりたいということであれば、やはり独学一本でやるというのは無理があるかと思います。

英会話学校+独学が最強

僕が当ブログでよく出す引用に、こんなものがあります。

バイオリン専攻の学生を三つのグループに分けた。第一のグループは、将来世界的なソリストになれるほどの実力を持つ学生たち。第二のグループは、「すぐれている」という評価にとどまる学生たち。第三のグループは、演奏者にはなれず、バイオリン教師を目指す学生たち。そして、全員に時間の使い方について同じ質問をした。

その結果、グループごとに驚くべき違いがあることが判明した。三つのグループが音楽関連の活動にかける時間は同じで、週に50時間以上だった。課題の練習にかける時間もほぼ同じだった。だが、上位の二つのグループは、音楽関連の時間の大半を個人練習にあてていた。具体的には、一週間に23.4時間、一日当たり3.5時間。それに対して、第三のグループが個人練習にあてる時間は一週間に9.3時間、一日あたり1.3時間だけだった。第一のグループの学生たちは、個人練習をもっとも重要な活動と評価していた。

2013年 講談社 スーザン・ケイン/古草秀子 訳 「内向型人間の時代」102Pより引用

 

これは、同じ練習時間でも、独学の割合が高い人の方が、演奏の習熟度が高いという事です。


確かに、一人で、集中して何かを練習する時間は、圧倒的な集中力を生み出すような感覚が、個人的にはあります。この感覚は間違ってはいないようで、その事が現れている調査結果だと思います。英会話における独学の効果は、こちらの記事にも書いたことがあります。

www.longhardroadout.com


さて、このような調査の対象の人たちは、すべてを独学でやっていたわけではありません。音大に通っているわけですから、ある程度のレベルまで導いてもらい、ある程度の時間は仲間と練習しているわけです。


しかし、その中でも、独学の時間の割合が高い人のほうが、演奏の習熟度は高い。こんな調査結果もありますので、僕個人の意見としては


「(英会話やTOEICなどの)教室に通う+独学の時間を増やす」


事が、最強の勉強法だと思っています。



いくら独学の時間の割合多い人が優秀だからといって、その独学が続いて、かつ目指していた結果が出ないと意味はありません。


まず物事の習熟を目指す時には、ある程度続けられる手段を選ぶべきだと思いますし、習熟度が低ければ低いほど、独学は続かない可能性があります。


何らかの教室に行ってしまえば、否応なくやらなければいけない日は出てくるし、それが続けば上達はしていく。上達した結果、何をやれば良いかも分かってくるので、独学が続くようになる。このようなサイクルのもと、勉強は続き、いずれ独学でも勉強が回るようになっていくのです。

ラクになろうぜ?

僕自身、しっかりと英語の勉強が続いた、積み上げられたと感じたのが、専門学校に入ってからの日々でした。


その時に勉強していた感覚を一言で表すなら、


「ラクだったな…」


という感じです。


こう言うと、遊んでばっかりで努力したなかったみたいに捉えられそうですが笑


そうではなく、楽に努力を続けられた、という感覚だったんですよ。


学校なんで、行かなければ単位が取れません。否応なく努力をしなければならない時が来るわけです。そして、英語の勉強時間が自動的に増えるに伴って、自主的にやる勉強時間も増えていきました。


基本的に僕は独学オンリーでは続けられない奴でして、、、


英語が一通り終わった後に、プログラミングの勉強をやろうと思った事がありましたが、独学でやろうとしてすぐ挫折しましたw(これも、僕はプログラミング初心者で習熟度が低いことに起因すると思います)


皆さんの中にも、何回も「今回こそは!」と思い、TOEICやら英会話やらを独学で始める人がいるかもしれませんが、もう自分を苦しめるのはやめて、楽になりましょう!笑


一人でやって続かないことは当たり前のことですし、恥ずべきことではありません。上で示した筋トレに関する調査のように、独学だけでは時間対効果があまり結果が出ないという事例もありますし、独学が性に合っていなければ、別にやめてさっさと英会話学校に通いましょう!笑


人生の絶望から立ち上がる!「オプションB」書評!

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どうも、たかひろ(@LongHardHell)です。


2018年も終わりに近づいて来ました。今回は、僕が2018年に読んだ本の中で一番良かったものを紹介したいと思います。


その本は、こちら。


ここ数年、何回か人生に絶望する事があり、それを引きずって2018年も気分の落ち込みが激しい時期が多かったのですが…


絶望するたびにこの本を読み返し、何度も自分を蘇らせました。


人生で僕が今まで読んで来た本の中でも、かなりの上位に食い込む良著を、全力で紹介したいと思います。


「オプションBー逆境、レジリエンス、そして喜びー」とは

の書籍のオプションBの内容を最も象徴する一文として、以下のものがある

デーブがなくなってからわずか数週間後に、デーブが参加するはずだった父と子の催しのことでフィルに相談した。誰かにデーブの代わりをお願いする計画を二人で立てた。「でも、デーブにいてほしかった」と、つい弱音を吐いてしまった。フィルは私の方に手を回し、励ましてくれた。「オプションAはもう無理なんだ。ならば、オプションBをとことん使い倒そうじゃないか」。

完璧な人生なんてありえない。だからみんな、なんらかのかたちの「オプションB」を選ばざるを得ない。この本は、だれもがオプションBをとことん使い倒せるようにするための本である。
2017年 日本経済新聞出版社 「オプションBー逆境、レジリエンス、そして喜び」 17Pより引用

自分の人生は、こんなはずではなかった。キャリアにおける失敗、大切な人との別れ…など、人生には、あなたが元々思い描いていた理想の人生(オプションA)を、皆持っていた。


人生には、そんな思い描いていたオプションAは、ある日突然、物理的に手に入らなくなるという非情な側面がある。そんな時、オプションAに見切りをつけ、オプションBを自在に使い倒せるようになる能力を育むことが、この本の主旨である。


著者のシェリル・サンドバーグ(Facebook社のCOO、最高執行責任者)は、ある日突然、夫を急性心不全で失う。突然すぎる喪失に絶望を禁じ得ない日々だったが、そこから一歩ずつ進んでいく過程を、知人のアダム・グラント(ペンシルバニア大学ウォートン校教授、心理学者)に助けられながら、科学的、統計的な裏付けとともに描いている。


シェリル・サンドバーグは、2013年に「リーン・イン」という、女性のキャリアに関する書籍を出している。共同執筆者であるアダム・グラントも、「GIVE&TAKEー与える人こそ成功する時代ー」という書籍で有名だ。興味があれば、こちらの2冊もチェックしてみるといいだろう。


どんな人が読むべきか

この本が対象にしている人としては、


”何らかの理由で、人生に絶望している人”


だ。どんな事情や理由であれ、悩みの大小は問わず、最善の選択肢(オプションA)への扉が閉ざされてしまって人達へ、次善の選択肢(オプションB)を見つけ、上手く進めるための科学的方法論の数々が詰め込まれている。


取り扱っている例としては、家族・恋人との離別・喪失を経験した人や、鬱病、戦争からの帰還兵が経験するPTSDなど、なかなかヘビーな内容だ。当然ながら、キャリア面での挫折(左遷・失職など)の経験からくる絶望など、より身近なものにも、応用が効く。


取り扱われている方法論は、科学的裏付けがある実践的なものが豊富に盛り込まれているので、すぐに実践できるものばかりだ。人生に絶望している時に、これほどぴったりな本は無い。

この本の好きなところ

この本は、僕が人生で今まで読んできた本の中でも、トップ3に入るくらい勇気をもらえる本だ。今後も揺るぐことはあまりないと思えるくらいにの名著だと思う。以下に、この本に関して、僕が好きな所を挙げたい。

タイトルが秀逸

この本のタイトル「オプションB」僕は、このタイトルが大好きすぎる。人生の絶望を乗り越えることを、これほど上手く言い表している表現はないのではないか、と思っている。

冒頭でも引用した、こちらの一文。

完璧な人生なんてありえない。だからみんな、なんらかのかたちの「オプションB」を選ばざるを得ない。この本は、だれもがオプションBをとことん使い倒せるようにするための本である。
2017年 日本経済新聞出版社 「オプションBー逆境、レジリエンス、そして喜び」 17Pより引用


この一文は、生きているだけで自動的に生じる絶望と、それでも生きる事を象徴した、とても印象的な文だと思う。


「オプションB」というタイトルは、生きる事そのものを象徴していると言っても良いと思う。



方法論に科学的な裏付けがある

「英検1級に1ヶ月で合格した僕が教える、最強単語勉強法」

「息子3人全員東大に入れたお母さんが教える、カリスマ子育て法」


人は、こういったタイトルで語られる方法論に飛び付きやすい。「英検1級」とか、「東大」という部分が、権威性を出している。いわゆる、ハロー効果と言われるものだ。


実績を出している人の方法論は、学ぶべきところが多分にあるだろう。しかし、ある一部の人に当てはまったからといって、あなたにも当てはまるとは限らないのだ。


日本の自己啓発系の書籍は、個人の体験談をベースとして、「僕ができた、だからあなたにも出来る!!」と言うスタイルで語られる本がとても多い。

しかし、アメリカ発の自己啓発書、特にベストセラーになるものは、必ずといっていいほど科学的・統計的な根拠が列挙されていて、


「科学的・統計的に根拠があるよ、だから、あなたにも当てはまる可能性が高いよ」


というスタンスで語られる。


例えばこんな感じで。

感情を言葉で表現することは、逆境を自分の中で処理し、克服するのに役立つ。健康心理学者のジェイミー・ペネベーカーが数十年前に行った実験で、大学生を2つのグループに分け、毎日15分ずつ4日間連続で課題を行ってもらった。一方の対照群は、日常のできごとを感情を抜きにして書き、もう一方のグループは人生最大のトラウマ体験、たとえばレイプや自殺未遂、子どものころの虐待経験などについて書いた。書き始めた初日は、トラウマグループの方が幸福感が低く、血圧が高かった。トラウマに向き合うのは苦痛を伴うだろうから、当然といえる。しかし、6ヶ月後の追跡調査では逆の結果が出た。トラウマについて書いた人のほうが、心身ともに良好な状態にあったのだ。

2017年 日本経済新聞出版社 「オプションBー逆境、レジリエンス、そして喜び」 85Pより引用

「あー、こんなにたくさんの人に当てはまっているのか、こんなに具体的な数字があるのか、だったら、自分にも当てはまるかもしれない」


と思うことの連続だと思う。

思い込みは訂正される

このような科学的な裏付けがあると、たまに、今まで何となく受け入れていたことが、サラッと訂正される事がある。


例えば、こんな感じ。

…ノスタルジア(郷愁)に関する研究によると、実際はその逆である。

(中略)

あのころに戻りたいと渇望するときに感じる痛みのことだが、心理学者によれば、それはおおむね快い状態なのだという。昔のできごとを回想すると、幸福感が高まり、人とのつながりを実感できる。人生をより意義深いものに感じ、よりよい未来をつくろうという気持ちをかき立てられる。


過去を振り返り、懐かしい思いに浸る事は、通常良くない事とされる。著名人でも書籍やTwitterなどでは、「過去を振り返るな、そんな事何にもならない」などと、頭ごなしに否定したりする。


しかし、科学はそんな事は言っていないようだ。なので、いくら偉い人が過去を振り返るなと言っても、気にする必要がないことが分かる。


科学的な裏付けは、どこぞでもらってきた思い込みをサラッと訂正出来るくらいの威力を持つ。オプションBは、これくらいの威力を持つ実践的方法論がてんこ盛りなのである。

重い事例の数々

人生の絶望から立ち上がる事がテーマであるこの本。絶望をテーマにしてるだけあり、扱っているテーマが、かなり重めなものばかりである。


夫を突然急性心不全で失い、急に襲い来る絶望に対処する妻
突如レイプされ、その影響で友達も失う就職を控えた女学生
離婚と失職を一気に経験し、自殺を図るキャリアウーマン
夫が突如逮捕され、息子も銃撃に襲われ亡くなり絶望に陥る妊婦


…などなど。


著者のシェリル・サンドバーグを始め、皆突如として最善の選択肢が物理的に不可能になってしまった人ばかりである。


絶望に、大きいも小さいも無いかも知れない。だが、数々の「これは流石に絶望するな、死にたくなるな」という事例を見ていると、自分の悩みがちっぽけに思えてくるのだ。


言語に尽くしがたい絶望からも、人は立ち上がる事が出来る。いくつもの事例を通して、その事を繰り返し実感できるのだ。


上の例に挙げた人達がどのように絶望から這い上がったのか、それは、この本を読んでからのお楽しみである。

まとめ

「オプションB~逆境、レジリエンス、そして喜び~」は、人生で絶望を味わうたびに、折に触れて読んでほしい名著だ。

確かに、絶望から回復するために心理学的アプローチをとったからといって、あなたを絶望に陥れた問題の根本を解決することはできないのかもしれない。そして、かつて望んでいた最善の選択肢は、もう手に入らない。

しかし、たとえ次善の選択肢でも、楽しく、再び幸せを感じることはできる事を科学的な方法論とともに何度も繰り返し教えてくれる本だ。


最善の選択肢が閉ざされてしまった人は、必読だ。