世界一無駄な留学

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サンフランシスコホームレス問題~サンフランシスコ留学の実情 PartII~

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(最終更新:2018/8/21)

どうも、たかひろ(@LongHardHell)です!


絶賛九連勤中です。この後に一日だけ休み、その後八連勤です笑 いやぁ本当、立派な社畜になったなぁ.....
(↑こんな時期もありましたw)


さて今回は、サンフランシスコホームレス問題~サンフランシスコ留学の実情 PartII~です



前回の記事「サンフランシスコ留学の実情を紹介します!理想と現実はやっぱり違う!?」で少し話した、サンフランシスコホームレス問題の話です。


www.longhardroadout.com


留学してから意外に感じる人が多いのですが、実はサンフランシスコという街には多くのホームレスの方々がいます。華やかな街というイメージとは裏腹に、サンフランシスコのホームレス問題は根が深く、人数では常に全米でTOP10に入るくらいです。

 

今回は、そのサンフランシスコホームレス問題について

  • 留学という観点から実害はあるのか
  • 今後この問題はどうなっていくのか


ということに関してお話していきます。この記事を読んでいる人たちはサンフランシスコへ留学中の方がほとんどでしょうが、学校の授業で触れることも多いのでぜひこれを機に深く考えてみてほしい問題です。ちなみに、学校でこの問題に関してエッセイを書かなければいけないという人は、この記事に書いてあることは転載OKなのでどんどん使っちゃっていいものを仕上げてくださいw


サンフランシスコホームレス問題の概要

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サンフランシスコはホームレスがとても多い街として有名です。

上でも少し言いましたが、全米の中でもホームレスが多い町として常にTOP10に入るほど多いです。現在サンフランシスコへ留学中の方は、日本と比べてその異常なまでの多さを実感しているところではないでしょうか。


特徴としては、ホームレスが多いどころか、シェルターに入っていない人達が多いのです。そのため、路上生活者が街に溢れかえっている地域があります



アメリカの都市別で比べてみると、ニューヨーク市が7万3523人と最も多く、次がロサンゼルス市の4万3854人、そしてサンフランシスコはそれよりも少なく7500人と、ホームレスの人口自体は少ないように思えます(それでも全米TOP10圏内ですが)。


しかし、シェルターに入っていない、いわゆる路上生活者の数は、サンフランシスコはとても多い。都市別での数字は拾えなかったのですが州で比べると、ニューヨークで路上生活者は4.2%に対し、カリフォルニア州では66.4%と、半端ではなく多いんですよね。

 

ただでさえ全米でホームレスが多い町認定をされているのに、その上路上生活者も多い、というのが特徴です。


つまり、ホームレスが多いのに、対策がうまくいっていないという点で、全米の中でもサンフランシスコのホームレス問題はかなり深刻なんですよ。

 

実害はあるのか?

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ところで、サンフランシスコの留学生として気になるのが、


ホームレスが多い、路上生活者が多い事によって、留学生に取って実害があるのか、という事についてですが……


実害はあまりないです。正直、景観を損ねてしまうとか、異臭、という問題以外、そんなに害はない。 

通行人がホームレスに身ぐるみ剥がされた、強盗された、なんてことは聞いたことありません。ちょっと特異なコミュニケーションをしてくるだけ(笑)で、実害、と言えるレベルではない、という感じです。


強いて言えば、食べ物、小銭、タバコをせびってくるので、毎回断るたびに心痛める…というところでしょうか。道端に小さい子供を抱きながら「Homeless Please Help」と書いた段ボールを掲げている女性なんかを見ると、アメリカの闇を見ている感じがしますが、それくらいで彼らが治安をすごく悪くしているかといったらそうではないわけです。


しかしそれは、あくまで通行人には、という意味です。

 
僕が見た例では、とある超有名喫茶店でホームレスの男性が募金箱をかっさらって逃げようとしていたり、ひどい場合はそんなシチュエーションで言い合いになり暴力沙汰に発展する、くらいのことはあります。よくあるというほどではないですが、いつか遭遇するでしょう。


というわけで、治安が良いとは言い難いところはありますが、気をつけていればトラブルは避けられるでしょう。

 

ホームレスでしかも路上生活者が多いのでなんとなく治安が悪いイメージがついてしまいますが、一概にそうは言えない、という感じです。


すべての始まり

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それにしても、どうしてこんなことになったのか。こんな世紀末漂うほどの景観に至るほど、このホームレス問題はひどくなったのか。このあたりを紐解いていこうと思います。



ここから先は、とある記事を参考にさせていただいたので、ソース載せておきます。

thebolditalic.com


wedge.ismedia.jp


全ての始まりは、1970年~1990年までに起こった、アメリカが低価格不動産、ハウジングや社会福祉事業(医療、年金、失業対策etc...)への投資額を大幅にカットしたことです。1170億ドル(11.7兆円)から250億ドル(2.5兆円)ほどに落としてしまいました。



その結果、家賃は医療費が高騰、失業保険など当然下りない、等、今もアメリカの社会に暗い影を落とす格差を助長する仕組みが出来上がりました。



さらにこの時期、ベトナム戦争からの帰還兵がたくさんいたわけですが、彼らはアメリカ全土で上がる家賃、物価に対応できなかったわけですね。まぁ大幅に社会福祉や設備投資などがカットされているので、彼らのケアも手厚くはなかったのでしょう。



これが原因でアメリカ各地でホームレスが生まれる結果となってしまったわけですが、特にサンフランシスコはその後シリコンバレーの台頭などもあり、さらに家賃は高騰。家賃を賄うために当然物価は上がるので、生活に困窮する人たちが後を絶えないようになり、それがホームレスの人数増加に拍車をかけてしまうことになりました。



これが、サンフランシスコホームレス問題のざっくりとした経緯です。


今後サンフランシスコはホームレス問題についてどう対処していくのか

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ここからは、そんなに、どう対処していくのか、という事について、調べた事を元にまとめてみました。


今後サンフランシスコはホームレス問題についてどう対処し、サンフランシスコのホームレス問題はどういう方向に向かうのか。減少するのか、増加するのか。ということについて考えてみたいと思います。


唯一の解決策

この問題には、単純にして唯一の解決策があります



ホームレス問題、特に路上生活者を少なくするために必要なのは単純に住居なわけですから、要は住居を提供できるようになればいいのです。



いろいろな記事がいろいろなことを書いていますが、要は、行政、民間、非営利が出資しあって何とか住居を提供できるように努力をしているよ、という内容なわけです。



これに関しては、サンフランシスコの前市長ゲイリー・ニューサムは、"Housing First Program”というものをやり、千人単位で街から路上生活者を減少させることに成功したらしいです。これもやった事は、単純に、シェルターの手配をすごく頑張った、ということなわけです。


さて、この解決策には、大きな壁があります。もうわかりますよね?


それは、上がり続けるサンフランシスコの家賃です。全米でナンバーワンの家賃を誇る場所で、どうシェルターを用意するのか。


一個シェルターを用意するだけでもものすごくお金がかかる。ましてや、この間、上がる続ける家賃に窮して、シェルターを閉鎖せざるを得なくなったという事例もあるくらいです。



というわけでこの問題を解決するには、行政、民間、非営利が、どれだけお金を工面できるか、というところが重要になってくるわけです。
 

5 Year Framework


現在、サンフランシスコ市は、「5 Year Framework」なるものを掲げているみたいです。


内容としては、5年以内にサンフランシスコのホームレスの人数を目標値まで下げること。その目標は、chronic homeless(一年以上、または過去四回以上ホームレス経験がある人)を現在の50%に、そして、Family Homelessを根絶する、という、結構野心的な目標です。


現在サンフランシスコには、chronicが2112人いるので、これを1000人くらいにまで減らし、家族でホームレスの人たちは0を目指す。現在のサンフランシスコのホームレスの人たちの内訳が分からないので何とも言えないですが、すくなくとも全体のホームレスの数を今の半分くらいにはしたい、ということでしょう。



この数字が現実的かどうかというと、正直「うーん...」と言ってしまいます。



三年もサンフランシスコにいましたから、このホームレス問題については体感としてわかっている部分があるのですが、このホームレス問題、本当にちょっとやそっとで解決しそうにない。


5 Year Frameworkも、いかにお金を工面するかの勝負になってくるとは思いますが、今まで工面できなかったから解決できなかった問題を、これからいったいどう解決するのか、これがいまいちわからない。


五年後には確かに今よりは減っているかもしれませんが、上で言った数字を達成できるのか、微妙なところです。


しかしこの問題、一般人にできることって、募金か、でかいことやる非営利団体を立ち上げるしかないので、今のところサンフランシスコ市の動向を見守るしかないのです。

まとめ

サンフランシスコホームレス問題~サンフランシスコ留学の実情 PartII~


  • 全米の中でもかなり深刻
  • 1970年~1990年の行政のコストカットがそもそもの原因

  • シェルターを増やすことが解決策
  • 市は五年以内に今のホームレス人口を約半分にする目標を掲げているが、達成できるのかはやや疑問

こんな感じです。この根深いサンフランシスコホームレス問題ですが、一般人、そして一留学生としては、見守っていくしかありません。今回の記事を読むことによって皆さんができることが増えるわけではないですが、ここら辺がサンフランシスコに住む留学生として最低限知っておくべきことかと思いますので、知っておいて、サンフランシスコのこれからを見守っていきましょう。