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金も時間も無駄にした著者が、人生の敗者復活を目論む

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人生の”敗者復活”を果たすために重要なマインドについて考える

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大学受験の失敗や、就職の失敗、その他キャリアに関する様々な失敗で、20代という早い段階で”負け感”を抱いている人がいる。

 
人生の節目における大きな”負け”のダメージは大きく、負けのイメージがこびりついて、後の性格や行動にまで影響を与えるという事もある。いわゆる”負け癖”というやつである。


今回は、そんな20代という若さで”負け感”を抱いている人達に対し、敗者復活に関するマインドの話をしたいと思う。

 

大きな負けを経験するとどうなるか

人生の節目節目に、その後しばらくを左右するライフイベントが起こる。10代の子供が経験するのが”受験”だし、20代で一番最初の自分のキャリアを大きく左右する勝負が”就職”である。受験でも就職でも、不本意な場所に行ってしまうと、負けを感じてしまう事もあるだろう。

 
確かに、側から見れば、そんな失敗は大した事がない。受験で失敗しようが就職で失敗しようが、望まない場所へ行ってしまってからのカムバックを果たす人などたくさんいるからだ。


しかし一方で、こんな大した事ない負けが、うつ病や、ひどい時には自殺などにつながる危険性もある。


こんな話がある。

入学したばかりのころに聞いた話が今でも印象に残っています。

ある教授が大教室で、「文Ⅰの人は、毎年、必ず一人は自殺します。しかし、文Ⅱの人は自殺しません」と言いました。文Ⅰとは文科Ⅰ類の略で、官僚や法曹界を目指す人の多い、法学部へのコースであり、文Ⅱとは文科Ⅱ類の略で、卒業後は企業へ就職する人が多い経済学部へのコースです。

その教授は、「文Ⅰには、地元で学力が一番だったような人が全国から集まってくるので、『自分が一番でなければ我慢できない』というような人は、挫折に耐え切れずに自殺することがある。しかし、そういう、ものの見方、考え方は間違っているので、気をつけなさい」と言っていました。

地元で一番の人ばかりを集めても、一番から最下位まで順位が出るのは当然のことです。しかし、それが受け入れられなくて自殺する人が出てくるのです。

出典: 受験の失敗 | 自殺防止サイト – あなたに贈る真理の言葉

 

東大に入れたのに自殺するとは、贅沢な奴らである。しかし、自殺を考えるものにとって、周りからどう思われるかなど、関係ないのだ。

さらに、こんな話がある。

研究によれば、多くの人が自分の人生に満足しないのは、楽しい時を過ごしていても、それが自己のイメージに合わないという思いに囚われているからだという。人びとは、自分のストーリーに合致する人生を望んでいて、悪い事が起こると、自分という人間に附合すると思い、楽しいときは例外だとみなしがちなのだという。

このことは、最も深刻で痛ましい悲劇-自殺にも当てはまる。フロリダ州立大学の心理学教授、ロイ・バウマイスターによると、自殺を図った人間は、必ずしも最悪な状況にあったわけではなく、ただ自分に対する期待に及ばなかったのだという。現実の人生が、思い描いてきたストーリーに合わなかったのだ。

2017年 飛鳥新社 「残酷すぎる成功法則」エリック・バーカー著/橘玲 監訳/竹中てる美 訳 110Pより引用

 

現実が、自分の思い描いていたものより著しく低い場合、人は自殺を考えること事が多いらしい。これは、感覚的に分かるのではないだろうか。

 
だから、そんな状態の人に自殺を思いとどまらせようとして、教育を受けられるだけありがたいとか、一定の給料を貰えるだけありがたいとか言ったところで、特に意味はない。自殺を考えさせる問題の本質と全く異なるからだ。


しかし、そこでいちいち自殺を考えていたら、ジグソウに狙われ死のゲームに参加する事にもなりかねない。負けが込めば流石に精神は参るだろうが、受験や就職などだったら、少し休んで冷静になれば、光明も見えてくる。今は大きな問題かもしれないが、少し時間をおいて冷静になれるまで、自殺を待ってほしい。

敗者復活には時間がかかる

さて、落ち着く時間をとった上でいう。

敗者復活には、時間がかかる。一発逆転を狙おうとして大学や会社を辞めて起業するとかは、一般的にあまりオススメされない。
 
大学受験の失敗であれば、基本的にまだ傷は浅い。就職時に、敗者復活を果たせた事になるであろう企業に入ればいい。それでも我慢できなければ、なんらかの付加価値(資格や英語など)を取ればいい。比較的時間の余裕がある学生であれば可能だろう。

 
さて、就職に失敗した時だが、この場合は、腰を据えて取り組んだ方が良いケースが多いと思う。今の会社の世間的な評判や給与に我慢ならないと感じても、入社一年も経たないうちに転職するのは早計である。

 
というのも転職時のキャリアアップは、あなたが明確なスキルを持っていることを証明できないと難しいからだ。正直、20代前半であれば、転職先は無くはないだろう。何も考えずに辞めたが、エージェントに登録して割とすぐ見つかったというケースもよく聞く。しかしそれは、別にキャリアアップしているわけではなく、新卒で任される仕事を、ちょっとマシな労務環境でやる事に他ならない。長期的にみると、そんなに変わらなくね?ということで、最初の会社がよっぽど悪い労務環境でなかった場合、またすぐ辞めたいと感じる場合も多いだろう。

 
最初の会社の世間体や待遇がどんなに気に入らなくても、真の意味で逆転を果たしたければ、社内で出来る仕事をこなしながら、売りに出来るスキルを身につけて転職する方が良い。

 
大きな負けを経験したものは、視点が短期的になってしまう傾向があると思う。しかし、あまり時間をかけずに事を急いでしまうと、現状維持どころか大きなキャリアダウンを経験する事になるだろう。これは、社会人に限らず、大学生でも同じ事だ。

 
要は、敗者復活には時間がかかるので、腰を据えて取り組んだ方が良いという話だ。この期間は、劣等感に悩まされることもあるかもしれない。が、時が来たら、流れは変わるものだ。長期的には、なんとか耐え忍んで後で爆発した方が良い。


辛いときは、以下の記事を読んでくれたら、少しは気がまぎれるかもしれない。筆者も今まで、目も当てられないキャリア上の失敗を繰り返してきたのだから、気持ちは分かるつもりだ。

www.longhardroadout.com


やりたい事を探せ

敗者復活を考えるときに気をつけたい事は、やりたい事を探した方が良い、ということだ。どういう事か。


大きな負けを経験すると、視点が短期的になると、上で書いた。そして同時に、世間体というか、表面的な成功を意識する傾向もあると思う。


本来思い描いていたキャリアを下回るという経験をする事により、より外面的な成功(収入、肩書き、世間体…etc)を渇望する事になりやすいと思うのだ。

 
しかし、そういった外面的なことばかり意識してしまうと、たとえ達成したとしても、あまり幸福な心理状態にはならないらしい。

Your pursue “intrinsic values” when you do something solely because you love it. You pursue “extrinsic values” when you chase money or status.

(中略)

The lesson from the research is clear: the more extrinsically motivated you are, the more you feel motivated by money or status, the more depressed and anxious you are.

(中略)

But when we’re counting “likes” on social media, we let others control our self-esteem. And that places your own happiness outside your control. Not good.

And even if you win, you lose. Studies show that the achievement of extrinsic goals — the fancy car and the impressive promotion — bring no lasting happiness. None. Meanwhile, when we pursue intrinsic goals like being a better parent or trying to improve our writing skills so our blog posts don’t suck, we feel much happier and less anxious.

訳: あなたが単にそれが好きで行う事をやる場合、"内在的な価値"を追求している事になる。お金や地位ばかりを追い求めている場合、"外面的な価値"を追求している、と言える。

調査からの教訓は明確である。より外面的な価値を追求する場合、よりお金や地位ばかりを追い求める場合、より抑うつ的になり、不安を感じるようになる。

ソーシャルメディアでの"いいね"を数える時、我々は自己評価を他人にコントロールされている状態だと言える。そしてそれは、自身の幸せを、自分のコントロール外のところに置いていると言える。それは良くない。

たとえそれで勝っているように思えても、あなたは負けているのだ。調査によると、外面的な価値を追い求めて達成したものー お洒落な車や印象的な出世などー は、長く続く幸福感をもたらさない。全く。一方で、自らの内在的な価値、良い親になろうとか、自分のブログがどうしようもない状態にならないように書くスキルを向上させるとか、そんな事を追求した方が、より幸福になり、不安感を感じることが少なくなる。

出典:How To Be Happy In Today's Crazy World: 3 Secrets From Research - Barking Up The Wrong Tree

やりたい事を追求するか、外的な成功を追い求めるかー


永遠のテーマだと思われるが、実は学術的な答えは出ていた。あなたが、最終的に目指すのが「幸せになる事」であれば、その答えはやりたい事を追求する事だ。

 
敗者復活を目指す人は、学歴、肩書き、収入などの面が満たされれば、敗者復活はできると感じてしまいがちだ。それは、あながち間違ってはいないのだろう。極端な話、やりたい事をやっていても食えない状態だったら、幸せとは言い難い。


しかし、だからといって、自分の内在的な価値から目を背け、利益ばかりを追い求める状態は、間違いなく幸福から遠ざかるという事だ。


敗者復活を目指す人は、これを機に考えてみてはどうか。自分のやりたいこととは何なのか、という事を。そしてその上で、改めて、肩書きやら収入やらの条件も満たせるものを探していくというのが、真の敗者復活なのではないだろうか。

まとめ

「人生の”敗者復活”を果たすために重要なマインドについて考える」

  • 大きな負けを経験したら、落ち着く時間をとれ
  • 敗者復活には時間がかかると心得よ
  • これを機に、やりたい事を考えてみよう


ちなみに今回の記事は、多くの部分を以下の本から引用した。また、英語で記述してある部分は、以下の本の著者エリック・バーカー氏のブログから引用している。人生の敗者復活を目指すにあたって参考になる科学的根拠のある情報が盛りだくさんの名著だ。数多ある成功法則の本と違い、科学的根拠のある情報ばかりを集めているので、読みごたえがあるはずだ。